①顎関節症治療体験記(歯科医通院1件目)

高校生の頃に顎からクリック音がするようになった。
クリック音というと音だけという印象があるかもしれないが、ただなんにもないところから 音がする訳ではない。

自分の症状を詳しく説明すると、口をだんだん大きく開けてゆくうちに、最大に開く状態になる一歩手前で 骨(関節?)が外れたように、カックンとなるのである。

そのとき痛みは全くなかった(今でも) しかし、そのうちに耳鳴がするようになった。

それまでにごくごくたまーーーに(年間1.2度?)、ふとした時に「キーーーン」と数秒鳴って消えるという耳鳴りは経験していた。 しかし、顎関節症が原因だと思える症状は、朝から晩まで途切れることなく 「ザーーーーー(※)」と聞こえっぱなしというものなのだ。

(※)この音はなかなか文字でうまく表現できません。セミが鳴くジーーーーという音のようだともいえますし、 シャーーーーという表現の方がふさわしいかもしれません。

これはどんどん悪くなっているかもしれないと思い、顎関節症は歯医者(口腔外科)にみてもらうということを知って、 近くの歯医者に電話する。顎関節症の治療はやっているかとたずねると、やっているという返事だったので、 行くことに決めた。このときは顎関節症の治療についての知識、治療の現状についてゼロに近かったので、 顎関節症治療の実績、評判など耳にすることなく、安易に決定してしまった。

このとき、初めて顎に違和感を覚えて早10年が経っていた。

・顎がカックンと鳴ること
・耳鳴りがすること

を伝えると、

・顎関節症の治療はマウスピースを使ってする。
・耳鳴りは血液の流れが聞こえているのだ。

と言われた。

今となってはあまり記憶にないが、そのままレントゲン撮影、 マウスピース作成の型とりをしたのだと思う。
出来上がってきたマウスピースはプラスチックで出来ており、夜寝るときに上あごに装着する。 けっこう異物感があってなれるまでは非常に大変だった。
夜だけではなく、付けれるときはできるだけ付けてくださいと言われたが自分は寝るときだけで 精一杯だった。
マウスピースでどうやって治療してゆくかというと、 マウスピースの面(下の歯に当たるところ)に色がついており(マジックで塗ってあるようなかんじ)、 数日装着した後に、歯科医に出向き、下の歯にあたって色がハゲているところをその場で 削る(歯ではなくマウスピース) そんなことを毎度毎度繰り返した。

治療の効果については、全くの素人が感じたままを言うとすると、全く変化を感じられることはなかった。 結局、この歯科には多分7.8回くらい通院してやめてしまった。
理由は、歯科医側の治療が通り一遍に思えてきたからだ。
顎関節症の治療のマニュアルがあって、ただそれにしたがってこなしている感じ。

ズバリ言うと、顎関節症をなんとか治してやろうという意欲が全く感じてこなかった。 顎関節症の治療をそこそこに、毎回歯のクリーニングだなんだと他の処置ばか勧められ、 そっちがメインになってる気がした。
初めて電話したときに、
「顎関節症の治療はやってますか?」とたずねた時、「やっていますよ」という答え、たしかにやってはいた。 しかし、"とりあえずやっている"という、治療からゼスチャー臭さを感じてしまってからは どうしても行く気になれなかった。
次にかかる歯科医は、顎関節症治療に力を入れていて、何人も治したという実績がある歯科医にしよう! と思った。
しかし、自分の症状に痛みがなく、耳鳴りはするが聞こえるし、 口を大きく開けさえしなければ音はしないので、日常生活には全く問題が無かったことから、 一旦、顎関節症の治療自体を辞めてしまった。

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